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CATのアメリカ東海岸留学

CATのアメリカ東海岸留学

コミカレ留学あれこれ

このページお題はアメリカ留学ネタとしては「古典」といってもいいくらいのネタ、
「コミカレ留学について」。

大前提は、留学のスタイル、目的は本当に十人十色。「成功」の定義も人それぞれ。
例えば1年間のバケーションの「ついで」に語学留学する人もいれば、そもそも
実家に強力な資金力やコネがあり、めちゃくちゃな留学生活を送ろうが、結果
オーライな人。金銭的にどんなに貧しくても、とりあえず「アメリカンライフ」
(あわよくば永住)が送れればいいという人。なので留学に「王道」はなく、留学
ネタに「一般論」は存在しないわけで、これもあくまでも一意見ということで。

さて、日本も基礎学力が低下してきているようなので最近はどうかわからないけど、
少なくとも自分の頃の日本の教育水準から考えるとコミカレの内容は基礎も基礎。
実際、英語というハードルさえクリアできてしまえば、良い成績をとるのは簡単。
そしてもし「先」を考えているのなら良い成績を取って当たり前、くらいの感覚で
いるべきのような気がする。(「コミカレははじまりのはじまりにすぎない」参照。)

日本の人から見れば「英語で授業をこなしてるなんてすごい」と思えるかもしれ
ないけど、現地の人(アメリカ人)にとっては、そんなの当たり前すぎて評価の
対象にもならない。

日本の大学で、留学生が「日本語で試験を受けたからエラい」という理由で成績を
オマケしてもらえる、なんてことがないのと同じこと。

                 *

日本とアメリカの教育システムの大きな違いの一つは、日本は「瞬発力型」なのに
対してアメリカは「持久力型」ってことなんじゃないかと思う。

日本はとにかく「一発勝負」。乱暴に言えば、日本の人材選抜は、一回こっきりの、
大きな試験の点数だけで行われる。例えば高校の成績がどんなにめちゃくちゃでも、
大学の入試にさえ受かってしまえばそれが全て。

その部分だけは日本はアメリカ以上の敗者復活社会だし、ある意味フェアでもある。
そして一度試験の「向こう側」に行ってしまえば、肩の力をぬいて、のんびりと
した生活ができる。

これは何も大学受験だけでなく、資格試験などでもそう。受かってしまえばあとは
「資格」という名の「規制」が個人を守ってくれる構造になっている。

最近は変わってきているのかと思いきや、さらに「資格」「検定」ブームに拍車が
かかっているようで、このあたりは恐らく中国の科挙制度に端を発する大きな
文化的流れもからんで、永遠に変わらないような気がする。どうやら日本の人は、
いやだいやだと言いつつも、「試験」というシステムが大好きらしい。

一方アメリカは、「毎日の」成績が重視される。

つまり、アメリカは一回ごとのプレッシャーはさほどでもない反面、日々の積み重ね
が非常に重用視され、弱いながらも常に人材選抜のプレッシャーがかかっていて、
日本のように「合格」「不合格」が一瞬にして決まるのでなく、徐々にそのレベルに
ついていけない人がこぼれ落ちていく。

小さなとりこぼしも記録として残り、その積み重ねは後に致命傷になりかねない。
日本の大学入試のようにその成績にリセットボタンを押せる機会はないのだ。

                 *

アメリカは弱肉強食の競争社会。

ある草原に2種類のネズミが暮らしているとする。

片方の種類は巣穴を掘って暮らしているタイプ。

天敵に狙われるのは巣穴から巣穴へ移動する一瞬だけで、巣穴の中は安全。巣穴から
巣穴への移動の時だけ全力疾走すればよく、足が遅いネズミでも、穴から穴へ移る
タイミングをうまく計ったり、巣穴から顔を出した時に運悪く天敵と出くわさない
かぎり、生き残るチャンスはある。

もう片方の種類は、常に地上を走り回っているタイプ。天敵の目にいつもさらされて
いて、足の遅いネズミは相当運がよくない限り生き残れない。

このたとえ話でどこまでうまく説明できているかわからないけど、前者が日本型、
後者がアメリカ型というわけ。

さて、足の速い「巣穴型」のネズミ(日本人)が「地上型」の群れに加わった。
ところがこのネズミ、巣穴から巣穴へ移動する一瞬の経験しかないので、天敵が
どのような姿をしているのか見ても(英語の読み書き)わからないし、その羽音の
区別(英会話)もできない。そうこうしているうちに、自慢の足を使う前にあっけ
なく天敵のえじきに。

もちろん「とてつもなく」足が速ければ話は別だけど、そんなネズミはめったに
いない。

さて、そこそこ足に自信はあるけど、天敵が見えず、羽音を聞き分けることも
できない状況で生き残るにはどうしたらいいか。

とりあえず、足の遅いネズミのグループに加わればいい。

周りがよく見えない(英語でものごとが要領よくこなせない)中、足の速さ(基礎
学力など)だけを頼りに天敵から逃げ切るには、足の遅いネズミのグループに
入って他のネズミが襲われている間に逃げ切るほうが有利。いきなり同じような
足の速さのグループに入たら、真っ先に命を落としかねない。

万が一、実は元から「とてつもない」足の速さを備えていたとしても結果は同じだ。
最初から足の速いグループ(一般の四大)に入るのか、後から加わって(転入)、
結局そこから巣立っていくかの違いだけ。そしてもちろん同じ基礎学力の上に同じ
だけの努力をすれば、コミカレでは確実に一般の四大より(数字の上では)良い
成績がとれる。

トランスファー(転入)が難しい超有力大学は逃すかもしれないけれど、英語の
ハンディがあるところでいきなりそんな環境に入って、さらに他のアメリカ人
新入生を出し抜ける(そして超有力大学の学費を払うことができる)日本からの
留学生ってどれくらいいるだろう?

念のため付け加えれば、例えば大学院進学を考えれば、超有力大学でへっぽこな
成績をとるよりも、そこそこの大学でちゃんとした成績をとってたほうがはるかに
有利だ。

さて話を元に戻すと、「巣穴型」の時は、入り口から入ったら出口から出るまで
同じ巣穴の中にいなければならないけれど、「草原型」は、より美味しいエサが
ある所へいつでも自由に移っていける。だから、天敵から逃げる要領をえてから
美味しいエサの元へ移りたければ移ればいいし、自分の命を守るにはこれくらい、
と思ったらそこにいればいいのだ。

(そういった意味では、アメリカのシステムは非常に効果的に個人個人が
「身の程を知る」ことができるようにできていると思う。)

                 *

さて、ここまでは留学当初、慣れない環境や英語のハンディがある中、それなりに
良い成績を維持するには、コミカレくらいが丁度良いのでは?といったような事を
書いたけど、(さらにコミカレには学費が安いというメリットもある)コミカレを
留学先として選ぶには当然リスクもある。

繰り返しになるけど、同じ条件であれば、コミカレでは確実に一般の四大より良い
成績がとれる。ただこれは、コミカレは、大学に経済的、時間的、そして特に能力的
理由で行けなかった地元の人たちの受け皿という役回りがあるため、往々にして
(言い方は悪いけど)周りの基礎学力と向上心が低く、それに助けられてのことだ。
「中位以下の公州立大の実情」参照。)

というわけで最終的に四大を目指しているなら、コミカレにいる間はそこはあく
までも「仮の場所」、良い成績がとれたとしてもそれは自分の能力ではなく、周りの
レベルが低いからと思うようにして、周りに流されないようにしないと四大に
移ってから大変なことになる。まちがってもコミカレで「こんなもんか」なんて
思ってしまわないように。

さらにもし日本人が多いコミカレを選んでしまった場合、その点でも周りに流され
ないようにしないと、「周りのレベルが低いことによって、英語のハンディが
カバーされている」という、それなりの成績を維持しつつ英語のレベルを伸ばす
ことができるという、貴重な「執行猶予期間」を無駄に過ごしてしまうことになる。

これ、人によっては難しいかもしれないし、だから周りに流されてしまいそうな人は、
最初から四大に行ってしまったほうがいいかもしれない。

ただ直接四大に行ったら行ったで、英語のハンディをかかえる中、コミカレ並の
成績をとるのはなかなか難しいだろうし、結果、「次」につながる道は断たれて
しまうかもしれないわけで、そのあたりはもう自分で決めるしかないように思う。

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オリジナルエントリー
コミカレ留学?(その1)(2007年9月19日)
コミカレ留学?(その2)(2007年9月21日)
コミカレ留学?(その3)(2007年9月22日)
コミカレ留学?(その4)(2007年9月24日)


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